週刊トークンエコノミー

暗号通貨・仮想通貨界隈でその日起こったこと、忘れ去られるくだらない出来事を日毎に記事にまとめています。ちゃんとしたニュースサイトじゃない特徴を活かしてくだらない内容もまとめます。多分日刊です。

【コラム】ベネズエラ国家ICO:Petroを追跡してみた。

f:id:Ocknamo_crypt:20180226234430p:plain

PetroトークンっぽいものがNEM上で確認できるので追跡してみた。

 

・結論

1. これ本当にPetroトークンなの?

 本物っぽい。プレセールトークンとプレセールトークン転送用トークン、本番用トークンが確認できる。ホワイトペーパーの記述と発行量が一致する。ただし本物だとしたら分割数が間違ってる。

2. その他わかったこと

 発行にBittrexで購入したXEMを使用している。Bittrex…ってアメリカじゃん笑

 WP読むとベネズエラはバレルあたりの石油価格の一定の割合を保証してPetroを「税金、手数料、寄付、国家公共サービスの支払いの一形態として受入れる」らしい。またPetroを国内でサービスに利用する会社を税制で優遇するとか。これつまり石油本位制の法定暗号通貨では。ただしペッグ方法が弱いと感じる。

3月になったらプライベートプレセールが始まるというロードマップらしいのでその時にプレセールトークンが動き始めたら本物確定かな。

 

おさらい

【2/21】ベネズエラの国家ICO:Petroがプレセール開始と報道。NEMプラットフォーム上のICO。他 - 【日刊】トークンエコノミー

以前の記事でプレセール開始のニュースが出たと紹介したんですが、Petroのサイトを読み込んでみるとプレセールの事前申し込みが開始された、みたいな感じだったみたい。なのでPetroトークンはまだ流通してません。ロードマップによるとプレセール開始は3月です。

http://elpetro.gob.ve/index-en.html

Petro

ベネズエラのPetroがNEMベースだということで、NANOwalletからNEMのネームスペースを検索してみたらPetroを見つけた。

f:id:Ocknamo_crypt:20180227001322p:plain

 

f:id:Ocknamo_crypt:20180227001429p:plain

上がプレセールトークン下がプレセールトークンの送金手数料に使われるトークン。

こりゃいいやということで、次にNEMBEX(NEMブロックチェーンエクスプローラー)をつかって発行者のアドレスを特定してみる。

NEM Blockchain Explorer v3

ncgbbz-kotero-3exmpp-cndndx-zqqjxb-emwwo7-mb66*1

f:id:Ocknamo_crypt:20180227001718p:plain

なるほどこいつだ。よく見てみるとve.ptrというモザイクも確認できる。

ve.ptrの内容も確認する。

f:id:Ocknamo_crypt:20180227002012p:plain

Petro is a sovereign crypto asset backed by oil assets and issued by the Venezuelan State as a spearhead for the development of an independent, transparent and open digital economy open to direct participation of citizens. It serve as a platform for the growth of a fairer financial system that contributes to development, autonomy and trade between emerging economies.

翻訳

"Petroは、石油資産に裏打ちされたソブリン暗号資産であり、ベネズエラ国は、市民の直接参加を可能にする独立した透明かつオープンなデジタル経済の発展の先頭に立って発行しています。 新興国間の開発、自治、貿易に貢献する公平な金融システムの成長のためのプラットフォームとして機能します。" 

ホワイトペーパーと比較してみる

http://www.elpetro.gob.ve/Whitepaper_Petro.pdf

プレセールトーク

WP記述

プライベートプレセール発行数量 

使用可能なトークン:38,400,000

→petro.presaleの発行数量と一致

 

本番トーク

WP記述

7.4購入および交換

Petroは次の方法で取得できます。

取得した所有者からペトロトークン「VE:PTR」を受け取る 

→ve.ptrとトークン名が一致

 

発行され販売されたPetroの総額は1億(100,000,000)になります。 特別な排出はありません。

分割

ペトロは100,000,000単位で割り切れるでしょう。 交換単位の最小単位は、

メネ(0.00000001)。

・・・

7.1

合計1億(100,000,000)のペトロが発行され、・・・

ve.ptrトークンと発行量が一致。

ただ最小分割数量が異なるような気がする(?)

 

非常に本物っぽい。ただしどのトークンもニュースが出た2/20日に発行されているのでフェイクという可能性も捨てきれない。

 

発行アドレスをさらに追ってみる

ve.ptrを発行したアドレスに入金トランザクションがある。ネームスペースの発行とモザイクの発行にはXEMが必要なので入金したのだろう。

f:id:Ocknamo_crypt:20180227003504p:plain

nbgxb5-jo7g77-6ph3n6-flrgoh-npjuta-47cp3a-kbkk

から445.95xem入金しているがこのアドレスを確認しても残高はゼロになっている。

どこかから入金してすぐに該当アドレスに全額送金したらしい。

f:id:Ocknamo_crypt:20180227003723p:plain

上がさっきのアドレスへの出金。下がこのアドレスへの入金。

入金アドレスにメッセージが書かれていてこれも読めるが"ptr"と書かれているだけ。

さてここに入金を行ったアドレスをみてみる。

http://chain.nem.ninja/#/account/ND2JRPQIWXHKAA26INVGA7SREEUMX5QAI6VU7HNR/0

f:id:Ocknamo_crypt:20180227004141p:plain

(^_^;)

なんか見覚えのあるモザイクがいろいろあるんですけどwww

と一瞬慌てましたが、これアメリカの暗号通貨取引所Bittrexのアドレスらしいです。

f:id:Ocknamo_crypt:20180227004631p:plain

NEM аккаунты бирж

……アメリカ!?

アメリカから経済制裁対象のベネズエラに送金したら何かしらの犯罪に該当しそうな気がしますがBittrexさん大丈夫でしょうか笑

トランプ大統領:ベネズエラに経済制裁 大統領令に署名 - 毎日新聞

 

ホワイトペーパー

適当にホワイトペーパーを読んでみたので内容をいくつかピックアップする。

暗号化市場と新しいデジタル経済へのPetroの最も重要な貢献は、主権国によって提供される支援になるでしょう。

ベネズエラボリビア共和国は、ペトロを税金、手数料、寄付、国家公共サービスの支払いの一形態として受け入れ、前日のベネズエラのバレルの価格をDvに等しいパーセンテージ割引で参考にしていることを保証する。

このようにして、買い手は常に自己の投資価値に調整された回収価値を保証されます。

これらの支払いは、次の式に従って、市場メカニズムおよび共和国の管轄当局が発行した法的処分に基づいて決定された、認可された取引所の運営に起因する為替レートで、ボリバルで受け入れられる。

f:id:Ocknamo_crypt:20180227010018p:plain

 税金、手数料、寄付、国家公共サービスの支払いに使用できるということなので、強制流通力はないものの法定通貨と同じような働きをすることを期待しているのでしょうか。

ホワイトペーパーに記述されている中で「石油価格にペッグ」することについての具体的な施策はこれ以外には無い様子。つまり同量の石油に交換とかはできないっぽい。

あとDvをどうやって算出するのかよくわからないのとボリバルはインフレしてるのでボリバルに交換したい人はいなさそう。

 

まとめ

世界初の石油本位制の法定暗号通貨っぽいなにか

ただしペッグ方法がベネズエラ国内の公共サービスの支払いに使えることだけなら果たしてうまく行くのか怪しいです。金本位制みたくベネズエラで石油と交換してくれればいいんですけどね。

ただパブリックチェーンでやってくれれば、こんなふうに内容を誰でも監視できるのでその点は面白い。つまり暗号通貨なのでベネズエラ政府を全く信用していなくても発行量が水増しされないかなど今の段階でもトラストレスに確認できます。本当に決めたとおりペッグされているのか、怪しい大金の流れがないかなど確認できると少なくともベネズエラの通貨よりは信用が高くなるかもしれません。

あと本当に本番でve.ptrを使用するのであればNEMネットワークの上の手数料収入(ハーベスト】が潤いそうですね。

 

本ブログはICOへの参加は推奨しておりませんので、参加によって何らかの損害受けても何の責任も負いません!

 

おわり

(↓コメントは自由にどうぞ)

*1:3/4追記